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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)1009号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕本件の増改築のうち、新築建物は、その資材等が不明であるから、現在その耐用年数を算出することは不可能であるが、少くとも、現存の別紙目録(一)記載の建物に比較して、これが長くなることは認めることができる。したがつて、これによつて借地上建物の朽廃による借地権消滅の時期が延びるものと認められ、これは地主である相手方が借地権消滅に対して有する期待的利益を減少させることになると解される。ただ、相手方は他にも土地を有していることが認められるので、現在のまま推移すれば、本件賃貸借が期間満了によつて終了することはないものと考えられるので、その際の建物の買取価格の増加ということを特に考慮する必要はなく、その他に相手方が本件増改築に反対するについて、合理性のある特段の事情はない。そこで、本件増改築によつて相手方の受ける不利益は、前記の借地権消滅に対して有する期待的利益の減少にある。

また申立人は、契約上は、木造建物所有の目的で、本件借地を最有効に使用し得べきであるけれども、本件増改築の許可によつて、本件借地のより有効な使用が、現実に、可能となるので、この点は申立人にとつては一応利益であると認められる。

したがつて、以上の当事者間の利害の衡平を図るためには、まず、申立人から相手方に対し財産上の給付として金銭の支払をさせるのを相当と考える。

そこでその給付額について考えるに、前記の当事者双方の利害を数額として管出することは困難であるが、本件土地の更地価格は、鑑定委員会の意見のとおり、3.3平方米につき一八万円とするのが相当であるので、前記の諸事情を考慮し、財産上の給付額は、その更地価格の合計額の約一パーセントに当る金八万五、〇〇〇円を相当と認める。

次に賃料については、昭和三九年五月以降3.3平方米につき三五円のまま現在に至つているので、この際、3.3平方米につき月額五〇円に増額するのを相当と認める。(福嶋登)

別紙

(一)現存建物

東京都渋谷区初台一丁目

家屋番号一八番三二

木造瓦葺二階建居宅一棟

床面積一階 60.33平方米

(18.25坪)

二階 28.93平方米

(8.75坪)

(二)増改築の内容

(1)現存建物の平家部分の上に面積25.74平方米の木造瓦葺の二階部分(居室)を増築

(2)現存建物前面の空地部の東側寄りに、左記の建物を新築

木造瓦葺二階建居宅、車庫 一棟

床面積一階 12.96平方米

二階 12.96平方米

以上

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